lis's blue bird.

書くことは、過去にすること。

好きな人のこと

私には今好きっぽい人がいて、その人と喋っていると落ち着く。というか、気取らなくて済む。私は実際どうかは置いておいて、誰かといると好き嫌い関係なく、結構気を遣ってしまう。私が気を遣わない相手というのは、相当限られている。彼とは、初めて通話した時から、何故か気を遣わずに話が続いて、気がつくとどうでもいいことを2~3時間くらい喋ってしまう。会った時も気取らずに喋ることができて、とても居心地が良いのだ。そんな感じで、私が自然体でいられるという理由から、彼に興味を持った。彼自身はいたって普通の人だ。何かに特別な思い入れがある訳でもない。だけど、とても良い美徳がある。強いこだわりが無いことと、何かを主張する時に否定から入らないこと、「こういう人は嫌だ」などの偏見が無いことだ。こういった穏やかな人は、我が強い人が多い私の周囲では非常にレアなタイプだ。彼は自分の話を一方的にしてこないし、強い主張もしない。必要以上に自分を卑下したりもしない。何より、彼自身に強く傷付いたトラウマの傷跡からくる歪がない。そこから来る穏やかさは、美徳そのものだと思う。人の話をよく聞いて、よく笑う。彼といると、私は穏やかでいられる。

我が強い人も好きだ。「自分はこう思う」という主張があることは、素晴らしいし、譲れない何かがある人や、熱中できる物事がある人には強い憧れを抱く。実際、今まで付き合ってきた人の殆どが、こういったタイプだった。私は何かに熱中することが出来ないからだ。だから、心から尊敬している。

しかし、こういった人たちとは、友達くらいの距離感がベストなんじゃないかと、この年になって気付き始めた。憧れはあるが、私とは相性が悪い、もしくは、私には器量が備わっていないのだと思う。もしこの感覚が正解だとしたら、この相性が意外にも間違っていなかったら、と考える。29歳の私がそばにいて欲しいと思う人は、彼のような人なのだろうか。私は興味本位で、彼と付き合ってみたいと思ってしまう。この人といると、私はどう変われるのだろう?という、至極自分本位な理由で。