lis's blue bird.

書くことは、過去にすること。

マッチングアプリをやめた

マッチングアプリ(以下マチアプと略す)の利用をやめた。厳密には、恋人や結婚相手を探す方法からマチアプという手段を外した。

特に、変な人を引いてしまったり、嫌な目に遭ったりした訳でもない。

理由は、私が心身共に健康ではない上に、ロマンチストだからだ。

マチアプは就活に似ている。

だから、プロフィールには、極力ポジティブなことを記載すべきだ。

たまに、「元恋人と別れたので、登録しました」と馬鹿正直に書く人がいるが、よく考えてみて欲しい。「元恋人と別れたので、登録した」という登録経緯が、出会いに対してポジティブに働く訳は無いのだ。

また、プロフィール文は短い方が良い。

長いほうが良い文章など、この世にある訳がない。読み手から、文章を読む時間を奪っていると考えて、最低限の文章量で自分を表現する。補足のようなエピソードは、会話が盛り上がった時に口頭で伝えれば良い。

写真は、接写を避けてなるべく他撮りが良い。

他撮りだと友達付き合いが多い印象を与えてくれる。特に写真は、ランディングページのファーストビューであると思った方が良い。

ファーストビューの写真を少しだけスクロールしてもらい、短くまとまったプロフィール文で「ヤバイ奴ではない」ネガティブ要素を排除してアピールして、スムーズにコンバージョン(いいね)に繋げる。

私についたいいねの数がカンストしていたのは、少なからずこの考え方があったからではないかと思う。

しかしこの考え方は、人間関係を築くにはあまりにも就活すぎて、私には辛かった。

健全な身体と健全な魂のアピールを強いられている気がした。

実際に、ある程度仲良くなった人に病について伝えると、支えて欲しいと言ってもいないのに「支えることができないから」と返事をされたり、「知り合いとしてまた会ってください」と言われたりした。

結果として、お互いの時間が奪われただけなので、これらの人間関係に費やした時間は無駄だった。

同様に、健全な魂と身体を求めてマチアプをやっている人は沢山いると思い、再発防止のために辞めた。「子供が欲しいと考えている」の文言も、事前に知りたい情報ではなかった。

それでも、会えて良かった人たちは沢山いる。

大学の先生やデータサイエンティストの方、同じIT業界の人、ハッカーなどの職業の人に出会えた。自分の研究について熱心に話してくれる人や、その業界が抱えている問題、現在の課題や会社のことなど、様々な話を聞けて、とても楽しく勉強になった。マチアプは社会科見学としては満点のツールだ。

だが私は、「出逢いはスローモーション 恋の速度 緩やかに」と中森明菜が歌う様に、人間関係の出会いに仕事のような意思決定のスピードを求められたくない。ロマンチストな私を捨てきれないのだ。

しかし明菜のようになりきれず、今日も砂の上ではなく、インターネットで文字を刻んでいる。

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